糖尿病治療の目標は、血糖・体重・血圧・脂質の良好なコントロールを長期的に維持することにより、細小血管障害(神経障害、目、腎臓)や大血管障害(動脈硬化)などの合併症の発症予防や進展を防ぎ、健康な人と変わらない日常生活の質を保ち健康寿命をのばすことです。そのためには血糖値を可能な限り正常域に近づけ、良好な状態を維持することが重要となります。血糖値を適正にコントロールするために指標として用いるのは、HbA1c(ヘモグロビンA1c)という検査値です。血糖値は1日のなかで食事や運動、ストレスなど、様々な影響を受けて常に変動しているので、採血時から過去1〜2カ月間の平均血糖値を反映するHbA1cが血糖コントロール指標として役立ちます。

日本糖尿病学会では、血糖正常化を目指す際の目標値を「HbA1c 6.0%未満」、合併症予防のための目標値を「HbA1c 7.0%未満」、低血糖そのほかの理由で治療の強化が難しい場合は「HbA1c 8.0%未満」と示しています。

【 日本糖尿病学会で定められている血糖コントロール目標値 】

血糖コントロール目標値

65歳以上の高齢者の場合は、認知機能や日常生活における活動度(基本的ADL/手段的ADL)、併存疾患など著しく個人差があり、重症低血糖や動脈硬化性疾患、心不全の危険性が高くなるため、十分注意して目標値を決定します。

【 高齢者の血糖コントロール目標値 】

高齢者の血糖コントロール目標値

厳格な血糖コントロールや急激な是正は、重症低血糖や合併症の悪化、突然死などの危険性を高めることがわかっているため、罹病期間・臓器障害・低血糖の危険性・生活環境・職業などを考慮して、患者様それぞれの生活背景や事情に合わせた最適な目標値を設定することが重要です。

「夜勤の仕事に就いている」「出張や会食が多い」「親の介護で忙しい」という場合も、無理なく継続して治療を行えるように柔軟に対応していますので、不安なことがありましたらお気軽にご相談ください。